インダストリー4.0の、サイバーフィジカルシステムではデータの情報化が取り組みの入り口となります。その際のリファレンスモデルとして、CIMについて説明します。
製品のラインアップ、市場に投入するボリュームやタイミングにより、連続、バッチ、セル、個別などの生産方法があります。競争力強化のために、顧客の望む品質(Quality)のものを、適切なタイミングで(Deadlin)、コスト(Cost)を最小化して提供することがセオリーです。東大の藤本先生は確か、ここに柔軟性(Flexibility)を加えられ、市場の要求変化に対応できる柔軟性について議論されていたと思います。その考え方に感銘を受けて、見たのはだいぶ前ですが、印象に残っています。
このセオリーは、Industry 4.0になっても普遍的に適用可能と考えていて、QCDを有機的に紐付けるものとして、サイバーフィジカルやブロックチェーンが適用できると考えています。
Industry 4.0のサイバーフィジカルを考える上で、参考になる製造プロセスとセンサーとを結びつけるモデルとして、1990年代に提唱されたCIMというモデルがあります。CIMは、製造プロセスから企業の活動までを階層化し、階層化したそれぞれのサブプロセスを情報システムと結びつけ、データを軸とした連携について議論しています。
CIMの階層は5段階になっており、以下のように書く階層はレベルとして分類されます。
Level | Entity |
---|---|
5 | ERP (Enterprise Resource Planning) 制度会計、管理会計、購買、調達、在庫、出庫、出荷など |
4 | MES 業務系と製造系のシステムの間に位置し、業務上の計画に基づいて、製造を管理する(定義ではないな) |
3 | SCADA, Historian |
2 | control bus, RTU, MCU, CNC, PLC |
1 | fieldbus 制御機器、センサー、アクチュエータとのインタフェース |
これらが、リアルタイム性(必ずしも高速とは限らない)が求められる制御系のネットワークと、社内ネットワークやインターネットなどの業務系ネットワークを介して接続、連携されます。
コメント
[…] 前の投稿で製造業向けIoT(Industrial IoT)のデータの流れを理解するための、参照モデルとしてCIMの階層について説明しました。この投稿では、各階層の構成要素について見ていき、インダストリーIoTのデータがクラウドに乗る前段階のデータの流れについて見てみたいと思います。 […]